「ほな、ええわ。嫌な想いさせてごめん。もう嫌なことせんから……」



大雅……?



なんでそんな悲しい顔すんの?


制服の中から私のブラジャー出して……



「これも返す。ばいばい……」




寂しい顔せんとって。



なんで……?



いつものことやん。


いつも私は嫌がってたし、嫌いやって言うてたのに。




「たい……が?」



「ほんまごめんな。ばいばい」





引き止めたいのに、引き止められへんかった。



大雅の顔。


大雅の声。



全部がいつもと違って。





悲しそうで、寂しそうで……





草原の中で家族とはぐれてしまった子鹿みたいな瞳で。






秘密の部屋から出て行った。