「面倒な女やな。お前は…… さっき杏奈の頭撫でたヤツ、今度しばいたる」
「あんたあほやろ。ええ人やん。先輩、めっちゃ優しいな」
「優しいとか関係ないわ。俺の女に無断で触ったんやから、それなりの覚悟あるんやろ」
教室のドアの方をにらんだ大雅。
てか、『俺の女』とか言わんとって。
だんだん、錯覚してまう。
ほんまに、大雅の彼女になった気分になってまうから、そんなこと言わんとって。
どうせ遊びやろ。
あんたのゲームはもう終わり。
だって、私はびっくりするくらいに大雅のこと好きになってるから。
あんたの勝ちや。
ゲームセットや。
「杏奈ぁ、なんで泣いたんや?言うてみぃ」
うわ!顔近!!!
綺麗な瞳。
まつげも長い。
って、見とれてる場合じゃない。
大雅の手が……
私の腰に回されてるーーーーー!!

