「やっとふたりきりになれたね、杏奈」
「なんで、標準語やねん!!きもい!!」
私がドアを開けて、逃げ出そうとすると、ドアをドカっと蹴った。
「何考えとんねん。俺を本気で怒らす気か?逃げれるとでも思っとんかい」
木製のドアには、手作りっぽい鍵がついていた。
木の棒を、ドアの穴に差し込む大雅。
「これで誰にも邪魔されへんで。俺と杏奈の時間や」
「何考えてんの?てか何がしたいん?嫌がらせ?」
大雅は、部屋のカーテンを全部閉めた。
私は、逃げる気はない。
当たり前やけど、好きな子とふたりきりで密室の中におれるなんて幸せすぎるやん。
でも、そんなんバレたらあかんから、嫌がってるフリ……
「この鍵、あんたが作ったん?」
「これは先輩らが昔に作ってくれたんや。授業中に抜け出してここでエッチできるようにちゃんと鍵を作ってんて。そのおかげで、俺達も使わせてもらえるんやからな」
えええええ!!
この部屋ってそういう部屋やったん?

