「ほ~ら!!やっぱ、杏奈、アイツのこと気になってるんや!」


「あはははは。あんたはわかりやすい子やな」


「恋なんかせーへん同盟作ってまだ1週間経ってへんのにな」




その時、立ち上がった大雅が……


私達の方を見た。




何か言うてくれる?


また『オバハン!』っていじわるな言うてくれるかなって期待してしまう。


なんでやろ。


優しい言葉なんかくれへんのわかってんのに、めっちゃ待ってる自分がおって、自分でもどうしようもない気持ちや。





「あ……」



呼び止めてしまいそうになった。




大雅は、私をチラっと見た後、何事もなかったかのように無視して消えていった。



さっき、あんなに話したやん!!


なんでなん?


なんで無視なん?


絶対覚えてるはずやのに!!



アイツ、まじでムカツク!!!!



でも、好きになってもーたかも知れへん。




だって……


アイツの言葉と笑顔が頭から離れへん。