海と少女と介護士と

俺がここに来て2週間ほどになる。

相変らず海羅は青色の本を持って、特等席である窓のそばで太陽の光を浴びながら本を開いている。


俺は大きな画用紙と鉛筆、色鉛筆を持って海羅の元へ歩み寄った。


「俺は海見た事あるんだ。」

「そうなの?」


海の話になると、すぐに食いついてきた。
そんな海羅は可愛いなと思えた。

「大きいんだ。とにかく大きい。」

「うん。」

「白い砂浜が広がってて・・・・・・。」

説明しながら画用紙に鉛筆で線を引いていく。
貝を描いて雲を描いて太陽も。


「俺、絵下手だからなぁ。」


苦笑いしながら色付けした画用紙を海羅に渡す。
海羅は【ありがとう】と言って受け取ってくれた。


何だか心が軽くなった気がした。