黒き手が…

マカはぎりっと歯を噛んだ。

アキを利用し儀式をやらせた人物は、恐らくアキがミナを誘うことを予想してやらせたのだろう。

ミナの過去を知っていたマカだが、そのことをミナに言ったことはなかった。

誰にでも触れられたくない事情がある。

マカはそれを誰よりも分かっているからこそ、口を閉ざしていた。

なのに…こんなミナの弱味に付け入るようなやり方は、まるでマカに対する挑戦だ。

そんなことをする人物は、この世でただ一人っ…!

「…マカ?」

「えっ?」

「そろそろ行こうよ。後ろにまだ人がいるから」