フーカは涙を流していたが、その寝息は安らいだものになっていた。

「気を失っただけだ。…それより、説明してもらおうか」

いつものマカとは違った厳しい雰囲気に驚きながらも、ミナはこの前の夜のことを話した。

するとマカはこめかみをぐりぐりと指で押した。

「…このプレハブ小屋を壊すよう、校長に進言したのは私だ。ここはあまりに邪気が集まり過ぎた」

「じゃっ邪気?」

「ああ。ここは人目に付きにくいだろ? 悪さをする生徒や、自殺をする生徒の悪しき気が溜まり、この場自体が手に負えなくなっていた。だからいっそのこと壊すように言ったんだが…」

「ごっゴメン…」

「ミナに謝られてもしょうがないさ。まずは、ここを何とかしなければな」