「うぐっ…」

苦しそうに首を掻き毟っている。

ミナはフーカの首元を見て、言葉を無くした。

その首には、黒い手のひらがまるで首を絞めるような形ではっきりと浮かんでいたからだ。

「ひっ!」

ミナは思わず後ろに引いた。

フーカは息が出来ないようで、口を何度も開かせるも吸えないようだ。

脂汗が顔に浮かび、目が血走る。

「やっやぁあっ!」

逃げ出すことも、助け出すことも出来ず、ミナは顔を恐怖に歪めた。

「どっどうしようどうしようどうしようっ…!」

頭の中が混乱する中、一人の人物の顔が浮かんだ。

そして、その名を叫んだ。