「何にもないところだけどゆっくりしてください」
と、通されたのは、旅館の方ではなく、同じ敷地内の一軒家の方だった。
表札には「宮崎」と彫られている。
亜紀は家の中に入るとてきぱきと動き回り、
ヒーターをつけ、部屋を暖めると、
千夏に座布団と熱い緑茶をだした。
無駄のない動きに少しばかり感心する。
お茶を出してなお立ち上がり、動こうとする亜紀の手を慎太郎が掴んで座らせた。
「姉ちゃん、いいからもう座りなよ」
手を慎太郎に引かれた亜紀はちょこんと慎太郎に寄り添うように座る。
ちょうど火燵を挟んで千夏の真向かいに亜紀がいた。ようやくまともにお互いの顔を付き合わせた。
これが、例の慎太郎の姉。
男性恐怖症という、いわくつきの。
本当だろうか。
亜紀は慎太郎に手を触れられたまま平然とした顔をしていた。
慎太郎が言うには慎太郎と京平にだけは触れられても平気なんだとか。
ちくり、
と千夏の胸が針で刺されたように痛んだ。
と、通されたのは、旅館の方ではなく、同じ敷地内の一軒家の方だった。
表札には「宮崎」と彫られている。
亜紀は家の中に入るとてきぱきと動き回り、
ヒーターをつけ、部屋を暖めると、
千夏に座布団と熱い緑茶をだした。
無駄のない動きに少しばかり感心する。
お茶を出してなお立ち上がり、動こうとする亜紀の手を慎太郎が掴んで座らせた。
「姉ちゃん、いいからもう座りなよ」
手を慎太郎に引かれた亜紀はちょこんと慎太郎に寄り添うように座る。
ちょうど火燵を挟んで千夏の真向かいに亜紀がいた。ようやくまともにお互いの顔を付き合わせた。
これが、例の慎太郎の姉。
男性恐怖症という、いわくつきの。
本当だろうか。
亜紀は慎太郎に手を触れられたまま平然とした顔をしていた。
慎太郎が言うには慎太郎と京平にだけは触れられても平気なんだとか。
ちくり、
と千夏の胸が針で刺されたように痛んだ。

