TWILIGHT SLIDER

華はマンションの中に入ると、自分が住んでいる部屋の前に立った。

カバンから鍵を取り出すと、ドアを開けて中に入った。

「ただいまー」

中を見回すと、電気はついてなくて真っ暗だった。

「――隆一、まだ帰ってないか」

華はそう呟くと靴を脱いだ。

リビングに行って電気をつけると、
「――きゃっ!?」

華は小さく悲鳴をあげた。

スーツ姿の八神が、ソファーに座っていたからだ。

「何だ、帰ってたの?

ビックリさせないでよー」

華が安堵の息をもらしたその瞬間、頬に衝撃が走った。

急に襲ってきた衝撃に耐えることができず、華はフローリングに倒れた。

頬の痛みが彼に殴られた現実を知らされた。