けど、僕はこうすることしかできなかった。

僕がこの世からいなくならなきゃ、華は幸せになることができない。

本当に、ごめんな。

桜木夕夜さん、僕の代わりに華を幸せにしてあげてください。

僕が華を傷つけた分、彼女を愛してあげてください。

不幸にさせた分、幸せにしてあげてください。

華、さようなら。

そして、ごめんなさい。

隆一』


手紙を読み終えた華の目から涙がこぼれ落ちた。

「――うっ…」

手で口を押さえると、華は泣き出した。

八神の気持ちがたくさんつまった最初で最後の手紙を、華は胸に抱きしめた。

夕夜は泣いている華をそっと抱きしめた。

八神も苦しんでいたのだ。

つらくて悲しい過去を抱えて、悩み苦しんでいたのだ。