何度も何度も、八神はその時にあったことを全て説明した。

華が他の男と関係を持っていることを知り、その男の家に華を迎えに行っただけだ…と。

華と揉めている最中に、偶然にも男が帰ってケンカになった。

警察は事情を話したにもかかわらず、八神をさらに問いつめた。

華の躰の傷とアザから、八神が華に暴力を奮っていたからだと思ったからだ。

八神は華に暴力を奮っていたことも認めた。

けれども、警察は相変わらず問いつめてきた。

拷問にも似た事情聴取をようやく終えて警察署を出てきた時には、八神はすっかり疲れていた。

仕事も休んでしまい、当然職場にも迷惑がかかったはずだ。

八神はため息をつくと、空を見あげた。

自分の気持ちとは打って変わって、快晴な青い空が憎たらしい。