「――同じです」

そう言った華に、
「えっ?」

夕夜は驚いて聞き返した

「私も、先輩が好きです。

先輩を1人の男として、愛してます」

「大村さん…」

「“華”でいいです」

「えっ…でも」

戸惑う夕夜に華はクスッと笑うと、
「さっきは名前で呼んでくれたじゃないですか」
と、言った。

「そ、そうだったね…でも」

言いかけた夕夜に華は首を傾げた。

「俺のことも名前で呼んでくれるって言うならば、呼ぶよ」

ニッと笑った夕夜に、
「そんな、恥ずかしいです…」

華は顔を紅くしてうつむいた。

「2人きりの時でいいから」

夕夜が顔を覗き込んだら
「もう、イジワルですよ…」

紅くなった顔のまま、華は黙ってしまった。