私は今日この町から引っ越します
 もう二度と戻ってくることは
 無いでしょう

第二夜 引越し

今日、長年親しんできた
この町を引越し
都会から隔離された恐狐村という
田舎に住むことになります。
この町を引っ越す事は嫌だけれど、
親の事情に振り回されるのが、
子供というもの。

例えそれが規則に何十にも
縛られている村だとしても・・・・

規則その一、
二十二時以降この村からどんな
理由があろうとも一切出てはならない
規則その二、
必ず毎年各祭りごとに村人全員参加
でなければならない
規則その三、
死亡者が出た場合は
必ず恐狐村の恐狐神社の墓に
葬らなければならない
規則その四、
各自家にある祠を毎日御供えをし
大事にする事
規則その五、
恐狐神社に夕暮れまでいてはいけない
夕暮れ以降は行ってはいけない
規則その六、
新しく村に入ってきた者は
一番最初に恐狐神社に
お参りに行かなければならない
      ・
      ・   
      ・
規則その*
?#%*#!~$#%*?%!

「駄目だ霞んで読めなくなってる。」
恐狐村百ヶ条を読んでいた
鏡夜利亞は声をあげる。
「とりあえず家に行く前に
その恐狐神社とか言う所に行くか
ちょうど次だし・・・」
そう言いバスの停車ボタンを押した。

親は先に行って来ると言い利亞を
残して先に行ってしまった。
利亞は同年代の女の子よりしっかり
しすぎていなければ、
こんな事にもならなかったのだが・・・

だが、利亞にとっては好都合だった。
好き勝手に村を回れるし何より自分は
もう子供じゃないと
証明できるから・・・
利亞だって思春期の女の子、
子供と認められたくないのだ。

バス停から歩いて数分恐狐神社についた。