それから2時間が経ち、 ようやくケーキが完成した。 いや、"完成"なんて言い方をすると 誤解されてしまうだろうが 作ったわけでは決してない。 そんな高度な技術が、俺にあるわけはない。 途中 何も言わずに部屋に置いて来たユキが 帰ってはないか心配になり 電話をかけようとした時 携帯も忘れて 出て来ていたことに初めて気付いた。