彼は、ちょうど洋画の映ったチャンネルでリモコンを降ろした。 何度も見たことのある ベタベタの恋愛映画だった。 まさに、この男の好きそうな映画だと思った。 「飯作ってやるよ。」 『は?』 キッチンへ向かい 冷蔵庫を開ける彼の後ろ姿を アタシはソファーに座ったまま振り返った。 …いけ好かない男。 遠回しな男はキライ。 腐るほどある時間さえ ムダに思えるから。