【実話】アタシの値段~a period~




「普通覚えてるだろ。まだ、あれから3ヶ月くらいじゃない?」



へぇー。


タシは忘れてましたけどね。


ふ~ん、


と窓の外に顔を向けたアタシに


「てゆうか、さっき俺のことフルネームで呼んだよね?」


前の車のテールランプに照らされる斉藤隆志の横顔を、もう一度見て


アタシはまた、すぐに窓の外へと目を向けた。


『ついねー』


短く答え、タバコに火をつける。


「今日から隆志でいいよ。タカシで。」


差し出された灰皿を受け取りながら


『了解ー』


と、また短く答えた。