―― ピンポーン 眠気と戦いながら 珈琲を飲んでいた夜の9時。 モニターなんてついているはずもないインターフォンの音で ハッと眠気が吹っ飛んだ。 ガチャ―… 『あぁ、浩介……』 ここ最近…、むしろあの日から毎日 仕事帰りの浩介はやって来た。 「お前、なんて顔してんだよ。」 普段なら、 失礼な女だとか、 文句の一つでも言うだろう 浩介は 困った顔をしながら つけていていなかった照明のスイッチを探しながら 部屋に入った。