駐車場を抜けて ユキが歩いて行った方へ なるべく足音を消しながら走った。 …ユキの姿が見当たらない。 レンガ建ての洒落た塀と平行に進み それが途絶えた場所の角まで来ても ユキの姿はなかった。 下手をすると もう、車に乗ってしまったのかもしれない…。 諦めて帰ろうと 方向転換をした瞬間 …居た。 レンガ塀の角から右に向かって歩いて行く ユキの後ろ姿を 俺は見つけた。