せめて、メールの一本でもするべきだったな と、申し訳なく思いながらも いつになく 小ぢんまりとしたユキが 愛しい。 「待っただろ?ごめんな。」 ご機嫌ななめを覚悟で ユキの向かいにしゃがみ込み ふわっとユキの頭に手を置いて謝ると 『いいよ。仕事だもん。』 と、拍子抜けするほど 大人な返事が帰って来た。 そうか… おそらくユキは 駄々を捏ねることも覚えずに 生きてきたのだ。