言葉を聞き終わるよりも先に 大型犬の荒い呼吸が 降ってきた。 「そんなに…急がなくても…」 オヤジの息を 全身に浴びながら 天井に浮かんだ染みを見つめる。 キモチワルイ キモチワルイ キモチワルイ アタシの身体の上を這う大型犬は それはそれは醜い 本能のカタマリへと姿を変えた。 アタシはいつも目を閉じる。 じゃないと夢に出てくるんだよね。 夢の中なんてさぁ 金にもならないのに。