線が引かれた文を読んでいると自然と笑みがこぼれてきて、苛立ちがおさまってきた。 そしてあの日の一成の言葉に、自惚れてもいいような気がしてくる。 「そのままの…… ダチュラな私でいいんだよね」 蛍光ペンが引かれたその一文を見つめながら、ポツリとそう呟いて。 さきほど喧嘩をしてしまった一成に謝るために、私は携帯を手にとった。