最後は爽吾君が二人を怒ってくれたおかげで、ゲームセンターからは脱出できたけれど。

勝負はつかなかったので、決着は後日に持ち越しとなったらしい。


「あと、送ってくれてありがとう」

聖羅と一成って似た者同士なのかも。

と、考えながらまた頭を下げる。

遅くなったから、と言って一成は遠回りになるのにわざわざ家まで送ってくれた。

そんな一成に驚いていた聖羅と爽吾君の表情を思い出して、少し笑ってしまう。


「それは前も聞いたから」

前、とは私が倒れた日のことで、あの日も一成は私を家まで送ってくれた。

「じゃあ俺、帰るわ」

「あっ、うん。本当に色々とありがとう」

呆れたように笑いながら軽く右手を上げて帰ろうとする一成に、私は慌ててそう言った。