~Takuto side~
俺は、この間のたけちゃんと真莉のバースデーパーティーの時以来、絵里の事が頭から離れなくなった。
あの時、高校時代の話をして、昔を思い出した。
確かに最初は、好きとかゆう感情じゃなくて、普通に女友達、大切な仲間みたいな感情で、真莉に感じてる思いと一緒やった。
だけど、いつの間にかその感情が友情から、愛しいって感情に変わった。
今思えば、それは、高校3年の頃やったと思う。

だけど、その頃の俺は、本当の恋なんて、分からんかったし、彼女も居った。
でも、その彼女も3ヶ月ぐらいで、別れた。
その後も何人かと付き合った。
その時は、好きで、大好きだって、思ったけど、確かに別れた時は、哀しかったり、寂しかったりする。
でも、その感情もすぐに消えていく。

前にたけちゃんが
「真莉と居ると沈黙が続いても、なんも、苦じゃない」
それを聞いた俺が
「えっ!俺、沈黙なったら、曲とか、かけてまうよ」
って言うたら、たけちゃんは
「俺は、沈黙っていうか、しゃべらんでも2時間でも3時間でも、一緒に居るその空気間が好きだから」
って、サラッと言ってた。

きっと、たけちゃんは、真莉の全てが愛しくて、何もしなくてもそこに存在してるだけで、嬉しいんやって…。
心と心が通じてるから、言葉がなくても平気なんやって…。
俺は、やっぱり、一生に一度の本気の恋ってやつを、体験してないんだな~って、痛感した。
こんな事を考えてても、あの日から、頭によぎるのは、絵里なんだ。
俺、どうしたら、いいんだろ~…。