あたしが何個も頼むと思ったのか。 「分かってます!そこまで食い意地張ってないから!」 「黙ってたら何個も頼みそうな目でケーキ見てたから」 ムカつく……。 高橋を見ると、「ほら、早く選んで」と急かしてくる。 店員さんは、あたし達の会話を聞きながらクスクス笑ってるし。 爆笑しちゃいけないって思って我慢してるみたい。 どれか一個に決めようとしてるから迷ってるって言うのに……。 ガラスケースの中のケーキを一個ずつ見ていく。 んー……。 選びきれない。