二人そろって。 珍しい。 口には酸素吸入器。 起き上がろうといつも通りに上半身に力を入れたら…… 「…っ」 胸に響いた痛みに驚く。 「馬鹿! 何起き上がろうとしてんの!」 お母さんが慌ててあたしの肩に触れて、布団を掛けなおす。 あたしは、頭が真っ白だった。 なんで……? あたしが痛みを感じたのは “心臓”じゃない。