《ガラッ……―――!》


すると突然、耳障りな音を立てて教室の扉が勢い良く開いた。


「市橋陸って奴、このクラスにいる?」


自分の名前が聞こえ顔を上げると、


「福原……」


学生鞄を肩に掛け、ダルそうに扉にもたれかかる福原の姿が視界に飛び込んできた。


「何しに来たんだ………?」


福原は扉の近くにいた女の子に俺の席の場所を聞いているようだ。


そして福原に話し掛けられた女子は頬を真っ赤に染め、嬉しそうに俺を指差した。


「どうも」


女の子に素っ気なくお礼を言うと、福原は静かに俺に歩み寄って来た。