そして暫らくの沈黙の後、


「お前、もしかして……」



何かに気付いたイケメンはあたしの顔をジッと見つめた。


「へ?」


「朝の逆ギレ女……」


イケメンはポツリと呟く。


ってもしかして……


「朝ぶつかった人って……あんた?」


「あぁ。てめぇ、勝手に逃げやがって……」


イケメンはそう言うと、眉間に皺を寄せた。


嘘でしょ……?



……最悪だよ。



こんな嫌な偶然があるなんて。




あの時は光の逆行で顔が見えなかったけど、こいつだったんだ。
 

イケメンが隣の席だと一瞬でも喜んだあたしは大バカだ。 


こんな奴と同じクラス、しかも隣の席なんて今日のあたしはとことんツイていないようだ。 





―――こうしてあたしの波乱の高校生活は幕を開けた。