“亜紀ちゃん、絶対結婚しようね?” 


その台詞ってもしかして……。 


でもまさか……。 


「陸……くん?」


「正解。忘れちゃったのかと思った」


男の子は満足そうにニコッと笑い、あたしの頭を優しく撫でた。 


「なんか信じられないよ……」


陸くんとは幼稚園が一緒だった。 


男の子にからかわれると、陸くんは“亜紀ちゃんをいじめるな!”とすぐにあたしを助けてくれた。 


陸くんは、あたしが困った時に必ず現れるヒーローだった。