“佐藤亜紀”


昨日あいつと友達の会話が少し聞こえた。 


“……亜紀……彼氏……なんだよ?”


所々しか聞こえなかったが、あいつが亜紀という名前だと言うことはわかった。


亜紀は教室に入ると友達の所へ行き、何やら楽しそうに話をしている。 


亜紀の友達も整った顔をしている。


“1-Aに美少女が二人いる”


昨日他のクラスの男達が廊下でそんな話をしていた。 

その“二人の美少女”が誰かは考えなくてもすぐに分かった。