あいつを家まで送り届けると、俺は元来た道を引き返した。 


「何で俺があいつを家まで送らなきゃなんねぇんだよ」


道路に落ちていた石を思いっきり蹴っ飛ばす。


でも俺があいつを誘ったんだ。 


“今日、俺に付き合えよ?”


気付いた時には、無意識にあいつの腕を掴んでいた。

“付き合えよ”と言ってはみたものの、行く場所なんてなくて。 


考え抜いた挙げ句、俺はあいつを自分の家に連れていった。


制服をクリーニングにだすという自分でも意味の分からない名目で。