缶ジュースの表面には白い紙がくっついていた。


缶ジュースの水滴を利用して紙をくっつけたんだろう。


紙の文字は薄らと滲んでいた。


“何かあったら連絡してこい”


その後に福原の連絡先が書いてあった。


そして最後に、


“日本に帰ってきたら何か奢ってやるよ”


そう汚い字で書いてあった。


「やっぱり俺はあいつには勝てないな」


俺はボソッと呟き、晴れ晴れとした気持ちで搭乗口に向かって歩きだした。