「つーか、俺喉乾いたからなんか買ってくるわ」


「え?今買いに行かなくても……」


亜紀は福原に不満そうな視線を向ける。


“サンキュ”


俺はスタスタと歩きだした福原の背中に心の中で礼を言った。


最後の別れくらい二人で。

きっと福原なりに気を利かせてくれたんだろう。


「俺がいなくなってから“やっぱり陸が良かった”とかなしね?」


「……思ったりしたらどうする?」


冗談ぽく亜紀に問いかけると亜紀も俺の冗談を冗談で返してきた。