「……――陸!!」


空港のロビーの椅子に座っていた俺に、手を振りながら小走りで駆け寄ってくる亜紀。


「わざわざ見送りに来てもらって悪かったな?……福原も」


亜紀の後ろに立っている福原をチラッと見る。


「別に。暇だったから来ただけ」


ぶっきら棒に答える福原にもようやく慣れてきた。