もしあたしが一生と出会わなければきっと陸を好きになっていただろう。


でも、今は一生しか考えられない。


未だに陸の気持ちを考えると胸が苦しくなる。


でも陸とはもうお別れなんだ。


「お前ら何やってる!早く席につけ」


「亜紀またあとでね!」


いつの間にか教室に入ってきた担任に気付き愛は自分の席に戻っていった。


あたしは机に伏せ重い瞼を閉じた。


すると、目を閉じた後すぐに夢を見た。


陸があたしを守ってくれている夢。


“亜紀ちゃん、絶対結婚しようね?”


果たされなかった約束。


陸……約束破ってごめんね?


夢の中であたしは陸に何度も何度も謝っていた。


でも陸は、


「絶対に幸せになって?」

そう言って優しく微笑んだ。


「……陸、ごめんね」


目が覚めた瞬間あたしの目からは一粒の涙が零れ落ちた……―――