“好きだよ”


亜紀の言葉が頭の中でリピートされる。


やっと手に入れた。


そう思った瞬間に指の隙間から零れ落ちてしまった。

もう二度と戻ってきてくれないと思っていたのに……。


「俺も亜紀が好きだ」


ギュッと抱きしめた俺の腕の中にいる小さな亜紀。


別れてからずっと考えていた。


ずっとずっと亜紀だけを見ていた。


亜紀だけしか考えられなかったんだ。