「亜紀?」


体育館の裏で泣いている亜紀をようやく見つけた。


「…っう…………」


膝を抱え静かに泣いている亜紀を無性に抱きしめたい衝動にかられる。


「俺のせいでごめんな?」

俺は持っていたしわくちゃのハンカチを亜紀に差し出した。


「……ありがと。でも陸のせいじゃないよ」


少し顔を上げハンカチを受け取った亜紀は涙ながらにそう呟いた。