昨日部屋から出ていったお母さんと陸くん……じゃなくて、陸。 


暫くすると、陸くんママだけが部屋から出てきた。 

その後すぐに陸くんママはあたしを家まで送ってくれた。 


“陸とこれからも仲良くしてあげてね?”
    

そう言う陸くんママの表情は何故か辛そうだった。


「亜紀!!!」


校門をくぐりボーッとしながら歩いていると、突然現れた愛があたしの手を引っ張った。


「あ、愛おはよ」


「おはよじゃないわよ!早く!こっち!!!」


愛はただならぬ様子であたしの腕を引っ張る。 


「どうしたの?!」


愛に引っ張られながら走ると、校舎の脇にある掲示板の前に辿り着いた。 


そこには黒山の人だかりができていた。 


「……あの子だよ?」


「ありえないよね」


「二股女!」


周りにいる生徒が一斉に敵意の眼差しであたしを見る。