「いえ、あたしは遠慮しておきます。親子水入らずの邪魔もしたくないし」


それに陸くんと会うのは気まずい。


ニコッと微笑むあたしに負けないほどの笑顔を向けた陸くんママは、 


「亜紀ちゃんがいたほうが陸も喜ぶのよ。ねっ?いいでしょ?」


そう言うとあたしの手を強引に引っ張った。


「はい。分かりました……」


断る理由のなくなったあたしは陸くんママに従い、ゆっくりと歩きだした。