閉会式後、亜紀に電話をしてもメールをしても一向に返事がこない。


あいつ俺の言ったこと忘れたのかよ。


仕方なく校内を探し回っていると、


「一生くん誰か探してるの?」


キョロキョロと周りを見渡す俺に鈴木が声をかけてきた。


「おお。なぁ、亜紀知らねぇ?」


亜紀の親友である鈴木なら居場所を知っているかもしれない。


「あぁ、なんか陸くんに話があるからって裏庭に行ったよ?」


「……裏庭?分かった。ありがとな」


鈴木に一言礼を言うと、俺はそのまま廊下を走り裏庭に向かった。


何故かざわざわと煩く鳴り続ける胸の音を無視するかのように……――