「めんどくせ」


俺の言葉に顔をしかめベッドから立ち上がる福原。 


「チョット待てよ?」


「……何?」


保健室から出ていこうとしている福原を俺は呼び止めた。 


「“借り人競争”の時、あの紙になんて書いてあった?」


福原はその紙を見るとすぐに亜紀の元へ駆け寄った。 


「あぁ、あれね。気になる?」


福原は挑発するように口角を上に持ち上げた。