「チョット!一生早いって……!!--キャッ!」


脚の長い一生の歩幅についていくことが出来ず、足が絡まりあたしは激しく転倒した。 


「痛っ………」


擦り剥いた膝からは血がじんわりと滲んでいて。 


あたしは思わず痛みに顔を歪ませた。


「……大丈夫か?」


一生が座り込むあたしの顔を心配そうに覗き込む。


「……大丈夫。早く行かなきゃ!!!」


クラスのみんなは総合優勝を狙っている。 


“借り物競争”でクラスの足を引っ張っちゃったのに、“借り人競争”でもなんて。



とにかく立たなきゃ! 


あたしは血の出ている膝を庇いながらゆっくりと立ち上がろうとした。 



「……痛っ………」


でも膝に激痛が走りうまく立ち上がれない。