ハァ……。 


クラスのみんなに迷惑をかけちゃった。 


落ち込むあたしの周りにドンヨリとした重たい空気が立ち込める。 



「そんな気にすることないって。それより次はあんたの彼氏候補の一生くんの出番よ?」



そんなあたしを見兼ねてか、愛はあたしの肩をポンッと叩くと校庭の隅を指差した。 



「……一生やる気ないね」


“借り人競争”の種目に出る選手が輪になっている中で、輪から外れて明らかにやる気のない一生。 



こういうの好きじゃなさそうだもんね。 



でもなんとなく一生らしいかも。 


あたしは遠くにいる一生を見て微笑んだ。