あれから一カ月が経った。


あの日を境に亜紀の様子がおかしくなった。


妙によそよそしく明らかに俺を避けているようだ。


市橋と何かあったのか? 


……告白されたの? 


言いようもない不安に襲われる。 


「それでは校長先生の挨拶です」


俺の気持ちを逆なでするように校長の長い挨拶が始まる。



今日は体育祭当日。 


サボろうとも思ったがサボったら恐怖の校庭30周が待っている。 


それだけはどうしても避けたい。


それに亜紀の様子も気になる。 


今までの様な元気はなく、いつも何か悩んでいるような表情を浮かべている亜紀。 



何かしてやりたいのに何もできない自分がじれったい。