「俺の負けだ……」


やっぱりあいつは他の男とは違う。


的確な判断力。


鋭い観察力。


自分の心を全てあいつに見透かされているようだ。


……今回は、俺の負けだよ。


でも最後に勝つのは俺だ。

亜紀だけは絶対に渡さない。


「お前の宣戦布告、受けて立つよ」


俺は唇を噛み締めながら勢い良く立ち上がった。