「あんな雨の中にいたら、また倒れてしまいますよ」 リリーナはクライブの顔を見る事ができなかった。 泣いている自分を見られたくなくて… クライブの顔を…見たくなくて… 「そうね…部屋へ帰って休むわ」 リリーナが部屋へ帰ろうと歩き出した時、後ろからふんわりと優しい腕に包まれた。 「誰が帰すっていいました?」 「え…?」 後ろから聞こえる言葉に思わずリリーナが振り返ると、目の前には優しいクライブの笑顔があった。 「帰しませんよ?」 そう言いながら、クライブはもう一度リリーナを抱きしめた。