絵本には、シンプルな線で可愛らしい熊の絵が描いてあった。
――くまおはくまこの為になんだってやってあげる男の子。
そんなくまおの事が大好きなくまこ。
だけど、不器用なくまこはそれが素直に言えない。
くまこの気持ちを誤解したくまおは、
「ぼくが今くまこちゃんにできるのは、ここからいなくなってあげること」と、
くまこの元を去ってしまう。
そこで初めてくまこは、自分の気持ちをちゃんとくまおに告げることができる。
口下手なくまこの気持ちに気付いたくまおは、ずっとくまこのそばにいてあげる事にしました――。
簡単に言うと、そんな話。
「本屋さんでこれ見つけてね、
くまこって、あたしみたいだな
って思ったの。」
そう言って栞は少し笑った。



