俺の恋バナでひと通り盛り上がって、飲み会はお開きとなった。
なんだかんだで久々に仲間に会えて気分も良かったし、
飲み会の場所からアパートまでそう遠くもなかったから、
俺は歩いて帰る事にした。
アルコールが入って火照った体に夜風が気持ちいい。
星が綺麗で…綺麗だから…
栞の声が聞きたくなった。
酒の力を借りてだけど
今日なら勇気出して電話できそうだ。
スーツの内ポケットから
携帯を取り出し、
栞の番号を呼び出す。
よしっ。
発信ボタンを押した。
トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル…
「…はぃ…」
5回目位のコールで栞が出た。
「あ、俺だけど。」
「…光基?」
「あ…寝てた?」
「大丈夫。」
アルコールが入って若干気が大きくなっていた俺は、
栞に色んな事を話した。
こっちでの仕事の事や暮らしの事、今日の飲み会の事…。
歩きながらベラベラ喋り続けた。
栞は
「そうなんだ」
「それで?」
ってその都度相槌を打って、
聞いてくれてたような気がする。
でも俺は
アパートに着いてベッドに腰掛けた瞬間、意識が飛んでしまったんだ。



