家電なんかは俺のを使うからと 殆どの物を処分してしまうと、 栞の荷物は本当に少なくて。 俺の車でも十分運べるほどしかなかったんだ。 思い出の物は みんな置いてきたという。 ひとつだけ…。 本の間に挟まっていた写真。 小さな女の子の写真。 目元が栞によく似た女の子が 写っている写真を見つけた。 カメラに向かって嬉しそうに、 にこにこと笑いかける。