「今日、ここに来たの正解だったな」


ぐるんと体を回して逆に俺が麻理亜に跨ぐ体勢になる。


一瞬、麻理亜は何が起きたのか分からないと言ったように目をパチパチさせた。


にっこりと麻理亜に笑顔を向ける。


「敬夜さん?」

「初めてだよな、麻理亜が嫉妬するの」

「っ」

「でも、麻理亜は俺を信用してないってことだよな」


それは、悲しいなと傷付いたように言うと、麻理亜も悲しそうに顔を歪めた。


「………ごめんなさい」


別に、信用してないわけじゃないと麻理亜は謝罪の言葉を口にするが、実は俺にとってどうでもよかった。


ただ、麻理亜が素直で良かったと改めて思った。